医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究 総括研究報告書(骨子)の公開

本日班会議最終回にて早速最終報告書の骨子が公開されています。

多くの皆さんが頭を寄せ集めて時間を割いて作ったものを一言でまとめてしまうことは大変失礼とは思うのですが、

非常によくまとまっていることと、基本的には海外(特に米国)の制度に倣って卒後医学教育認定機構(仮称)を設立しましょう(名称も米国のACGMEに倣ってJCGME)ということです。意義は大きいと思います。画餅にならないようにこれからそれぞれが汗を流さなければなりません。

関係者の方はぜひ全文を読んでいただきたいと思います。

医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究
総括研究報告書(骨子)の公開にあたって

総括研究報告書の骨子
医療における安心・希望をもたらす
専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)の方向性
〜卒後医学教育認定機構(仮称)設立の要望〜
平成21年3月25日

以下、一部抜粋します

我が国において、現時点で家庭医療、総合診療に従事している医師の大多数は、内科、外科を含めて各診療科の診療に専ら従事し、該当する診療領域において(専門医研修を含め)研修教育を受けた病院勤務医師が、第2のキャリアパスとして診療所において開業したものである。
専門医としてのプライマリケア領域を担うべき体系的な研修プログラムの課程を修めた家庭医は現状ではごくわずかしか存在しない。今後も各診療科の専門領域からの総合診療領域への移行は続くと考えられる。
このとき問題となるのは、「専門医からの移行による総合診療医ではプライマリケアが担うべき地域医療のニーズに対応できず、そのため地域における偏在の問題を解消できない、へき地医療体制を確保できないということと、その総合診療医としての質の担保ができないということである。
(鍵括弧 太字強調 岡田による)

中略)

家庭医・総合医は幅広い疾患の管理だけでなく、生活、家庭環境などの背景を踏まえた上で、予防や健康増進までを含めた医療を展開することから、地域に根ざした医師として、各々の地域の特性に応じた連携や、医療の提供体制の中に位置づける必要がある。
こうした医師を養成する、あるいはこれからの医療提供体制に位置づけるという視点で考えると、その養成プロセスや行う医療の具体像をより明確にすることができる。つまり、疾患の特性や公衆衛生、社会的な背景基盤などの地域性に根ざした医療、つまり「地域が育てる医師」による医療ということになる。

家庭医・総合医の具体像を得ることで、その研修には地域におけるプライマリケアを行う診療所、より高次の専門医療を担う病院での研修、さらには救急や周産期管理、小児、メンタルヘルス領域、在宅医療など、地域住民の健康増進と安心、公衆衛生の向上にとって必要な要素が含まれることになる。逆に言えば、こうした前提を踏まえることなく、
各専門診療領域や医療機能毎の横断的なローテーションを足し合わせることによるのでは、家庭医・総合医として必要な資質を得ることができないことを認識する必要がある。」

(鍵括弧 太字強調 岡田による)

家庭医・総合医の具体像と医療システムにおけるプライマリケアの担うべき役割を明確にした上で制度として位置づける必要がある。つまり家庭医・総合医は専門性を有する医師として、充実した教育体制と厳格な専門
医認定制度のもとに認証されるものでなければならない。
家庭医・総合医の認証制度は、地域医療体制や教育指導体制と関連づけられるものである必要がある。具体的には、認証制度を運営するための人員や組織、費用が、地域医療の提供体制や教育研修の実施計画の中に位置づけられ、互いに連携するものでなければならない。

プライマリケアを担う家庭医・総合医への受療について、地域住民の継続的なケアを行うことが可能になるよう、何らかのアクセス制御を行うような連携と各診療領域を担う専門医への誘導の仕組みの整備が必要である。
(鍵括弧 太字強調 岡田による)

家庭医・総合医がプライマリケアを担う専門医としての役割を医療提供体制の中に明確に位置づけられ、継続的な健康管理と一般的な救急時の対応などを担うことによって、患者にとって最適な医療を行うことができるとともに、救急、周産期、小児、精神神経を担う専門医の負担が軽減され、それぞれの専門医はよりその専門性を発揮できるようになる。

(鍵括弧 太字強調 岡田による)

さらにグループ診療を含めた地域の医療体制に応じた連携の取り組みが促進されることが期待される。
この提言はこれからの医療の方向性についての私たちの考えを示している。

24ページほどですが、非常によくまとまっていますし、勇気づけられる文章だと思います。

3/26/2009 追記
既に通読5回ほどやりましたが、本当によくまとまっています。

骨子は(私なりの解釈)
家庭医・総合医という名の専門家の養成。その分野の社会的位置づけ(定義)の明確化
各分野の医師の予測需要、ニーズ分析に基づいたある程度の分野ごとの定数のコントロール
この2つを専門的に行う第三者機関を設立し利害関係に縛られず実行する。(5年間のロードマップまで具体的に提案されています)

12ページに海外諸国との比較表が載っていて、いかにも「完全自由なのは日本だけですよ〜」的なプレッシャーを感じます。

私が家庭医になって10年足らずですが、当時の日本の状況からすると隔世の感があります。
両方とも医師会がずっと反対してきたことですから、提言にすぎないこの報告書から実行に移すまでがまた大きな一仕事と思います。

まだまだやらなければならないことはいっぱいありますね。

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