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人の集まるタイトルを付ける方法(セミナーなど)

抄録絡みでついでに、タイトルのつけかたについてすこし。

下記の本の著者が、明るい選挙推進協会 発行の 私たちの広場という雑誌の 297号  2007/11月号に「行列の出来る講座の作り方」というタイトルで連載中で、その第4回 「タイトルと講師選びは慎重に!」から抜粋。

ちなみに著者の牟田静香さんというかたは、「区の男女平等センター「エセナおおた」の活動を通し、不振だった同センターの主催講座に定員オーバー続出のヒット講座を連発するようになる」(プロフィールより)

では本題。

人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方 (講談社+α新書 344-1C)
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ここから抜粋(一部省略)

こんなタイトルでは人が集まらない!として6つのカテゴリー
*講座の目的をそのままタイトルにするストレート型
「男女共同参画セミナー」「男性の家庭参画セミナー」
興味の有る人が少ないテーマの場合は集まらない

*社会背景タイトル型
「晩婚化と男女のゆくえ」「男女共生時代と生きるわたし」
特に個を大切にする若い世代には興味が湧かない。時間、お金を割く価値が図りづらい

*疑問系
「DVって何?」「人権って何?」「今、子どもに必要なことは?」
著者の主催するセミナーで疑問系タイトルで行列ができたことは一度もないそうです。特に言葉の意味を参加者に聞くタイプのものは駄目だと。

*レッツ系
「メディア社会を生き抜こう」「地域で子育てを楽しもう」
やはり集まらないそうです。講座に参加して欲しいターゲットが明確でないから「〜しよう」になるのだそうです。

*認知率の低いカタカナ語
「アサーティブ(自己表現)トレーニング」

*相手の立場を否定したタイトル
「お父さん、もっと家庭のことに目を向けてみませんか?」「おやじ改革講座」
いくと肩身が狭くなるような気がする

ーーーー抜粋ここまでーーーー
学会の論文や発表のタイトルに当てはまらないことも一部あるが大体はこの線で応用が利く。

悪い例を考えてみよう
「麻疹について」(ストレート型)
「増え続ける糖尿病」(社会背景)
「自閉症スペクトラムとは?」「なぜ、今日本に家庭医が必要か」(疑問系)
「癌世代を生き抜こう」「次世代に必要なgeneralistを育てよう」(レッツ系)
「Crow-Fukase症候群の診断と治療」(認知率の低い)
「開業した臓器専門医は再教育が必要です」(相手の立場を否定)

学会の発表や論文を見ていると多いのが「〜について」「〜の取り組み」「〜の事例」「XXX(薬の名前)の効果」など

実際に上記の6つに当てはまらないタイトルを考えるとなると結構難しい。

STFMがすべてではないがSTFMの年次総会のたいとるみているとかなり工夫されているものが多い。是非参照にして欲しい。

実際の例を。自分の履歴書をざっと眺めて上記に当てはまらないものを探すと意外と少ない(おそらく最近意識し始めたから)
Lecture-Discussion: A Family Chart in the Electronic Age. Challenges and Opportunities for Family Oriented Medical Home. (今春のSTFMで採択、奈義ファミリークリニックの松下先生と発表予定)
Does This Patient Have Parkinson Disease? (JAMAに掲載)
Lecture-Discussion: ‘Can We Kill Many Birds With One Stone? (One CQI Projects Covers Multiple Educational Objectives) (2007年のSTFMで採択、発表)
学会発表が「楽しく!!」なるプレゼンテーションのコツ (佐藤健一、斎藤裕之先生と)
ワークショップ:「W-17 家庭医療研修医を上手に評価するために」(草場鉄周、山田康介、雨森正記先生と)
ポスター:「P-05 産科医との協力体制強化による家庭医妊婦健診継続率の増加」(西岡洋右先生と)
Family Doctors in Japan with Specialists’ Support can Provide Maternity Care for the Most of Pregnancy’ (2007 Europe WONCA)

昔は「〜について」「〜とは?」のオンパレードでした

研究や調査についてはその結果をタイトルにするのが一番です上記の最後の2件がそうです。
「xxxにおいて&&&を使うと中等度の効果がある/半減する/ZZZと同程度の効果がある/向上する」など。そのテーマに興味の有る人で、タイトルの主張がこれまでの周知の事実でない場合はまず関心を持ってくれます。

そういう意味でタイトルは抄録よりも大事です。タイトルによっては抄録すら読んでもらえないわけですから。

実は同じようなことは次の本にも書いてある。

すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!
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  • 発売元: 大和書房
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会議のタイトルで
「〜について」などはやめましょう。「どうすれば〜はよくなるか」という形にしましょうと。

タイトルにも気を配りましょう。

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ワークショップやセミナーで事前課題を出すか出さないか

HANDS-FDFの修了生たちが、家庭医療学会の若手家庭医部会による冬のセミナーでセッションを行うサポートをしている。事前課題を出すかどうか、ということで、彼らに伝えた私の意見。

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事前課題について

出来るとよいと思いますが、私個人的にはHANDS以外では事前課題を出すことはほとんどありません。出すとしても移動の新幹線の2時間ぐらいで出来るもの程度です。

理由
1.1回きりのセッションで教育者と学習者の契約、関係、ラポールがそれほど強くない。顔を合わす前から「違和感」や「反感」をもたれ、当日の参加の積極度に悪影響が出る可能性がある。勿論逆もありえますが。
2.事前課題をやってこない学習者は必ずいる。事前課題をやってくることに対して当日のセッションの依存度が大きければ大きいほど、やってこない場合の当日のダメージが大きい。
3.単に医者は忙しい。自分だったらやりたくない(本音)。

従って、事前課題を設定するにしても、
やってきていない人がいても当日臨機応変に対応できるように、想定した教育計画が必要。(当日の5-10分で完成できる。もしくは他の人がやった事前課題を題材にワークをさせてもらう)
ただし、やってこなかった人に対してそのような配慮をすることで、やってきた人が「正直者が馬鹿を見る」にならないような配慮も必要。(自分はわざわざ事前にやってきたのに、当日にやってきていない人の為に貴重な時間を割いた。または一生懸命やった割には、やってきていない人も同じように参加できたし、やっただけの見返りが余り感じられない)
ですから読書課題はそれほど厳密に考えなくてもよいかもしれません。(上記の原則はあくまで成り立つのですが、読んだ人はそれだけ深い理解を得られますので)

大学の講義などの場合は単に宿題をやってこなければその人の評点や単位に悪影響が出るだけで自業自得なのですが、WSはみんなで何かを作る、というと事が目標にあるので事前課題の位置づけが多少違います。

そういうことで、事前課題を設定するにしても、やってこない人の発生リスクをふまえると、やってこなくても大きな影響がないか、その場ですぐ出来るものということになってしまい、要はそんな課題はそもそも、最初からやってこなくてもいいものか、当日その場でみんなでやればいいもの。ということになってしまいます。

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過去1週間の食べたものをつけてきてもらう、という事前課題の場合を考えると
つけてきてもらうことに非常に依存したセッションの場合でつけてきてくれなかった時にどうするかを考えると良いでしょう。臨機応変にその場で今朝食べたものだけ思い出してもらって、カロリーや栄養素について学ぶ、ということに変更すると、一生懸命にやってきた人はどう思うでしょうか。

管理栄養士さんの栄養指導はどうやっているんでしょうね。

結局講義より、ワークショップの難しいのは一方的なものではなく、双方向なのに、相手がどのように出るかわからない為に、ある程度あらゆる場合を想定して、どのような場合にも対応できるfail safe(失敗しない)セッションを作らなければならないところでしょう。