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日本医師会 生涯教育カリキュラム2009出ました

表題の文書が発表になっています.発行はH21年3月付けです.


日本医師会生涯教育on-line

の一番上から

日本医師会 生涯教育カリキュラム2009

全文が見られます.

そもそもこれは,厚生労働省が医師の自浄作用のなさにしびれを切らして,意図的に掲げた「総合医」構想

受診、最初は「総合科」 専門医に橋渡し (2007年4月30日 読売新聞)

に対抗する形で(見事に厚労省の思惑通りのせられた形で,というのが私の解釈です),「国に言われなくても自分たちで開業医の総合力は保証していきますから」というアピールをするために日本医師会のなかで第IV次および第V次生涯教育推進委員会か作成したものです(というあくまで私の解釈)

そのために組織された3学会ワーキンググループには日本プライマリケア学会から前沢,津田,藤沼,日本家庭医療学会からは山田,竹村,日本総合診療医学会からは小泉,尾藤,大滝(全て敬称略で失礼しました)が参加.オブザーバーとして日本老年医学会,日本臨床内科医会,日本小児科医会,日本専門医制評価・認定機構が参加して作成されました.任せていれば大丈夫.という面々が参加していました.

内容,構成的にも総論,各論共にしっかりしており,
症候別の具体的対応の中に,視力障害,目の充血,外傷,関節痛,排尿障害,精神か領域の救急,不安,うつ,流・早産及び満期産,成長・発達の障害など,内科医としてのトレーニングだけでは対応できない項目が挙げられています.

流・早産及び満期産の項には,妊産婦に起こる一般的健康問題に対処できる
成長・発達の障害の項には,月齢相当の身体的発育や神経学的発達,行動統制力の発達について把握し,必要に応じて専門医へ紹介できる

と書いてあります.

また
頻度の高い慢性疾患の管理には
脳血管障害後遺症が含まれるあたりも憎いです.

何よりもその前の大項目としては

I. 医療専門職としての使命 ………………………………
   1. 専門職としての使命感 2. 継続的な学習と臨床能力の保持
   3. 公平・公正な医療
II. 全人的視点 ………………………………………………
   1. 医療倫理 2. 医師-患者関係とコミュニケーション
   3. 心理社会的アプローチ
III. 医療の制度と管理 ……………………………………
   1. 医療制度と法律 2. 医療の質と安全 
   3. 医療情報 4. チーム医療
IV. 予防・保健 ………………………………………………
   1. 予防活動 2. 保健活動
V. 地域医療・福祉 …………………………………………
   1. 地域医療 2. 医療と福祉の連携
VI. 臨床問題への対応 ………………………………………
   1. 臨床問題解決のプロセス 2. 症候別の臨床問題への対応
VII. 継続的なケア ……………………………………………
   1. 慢性疾患・複合疾患の管理 2. 在宅医療 3. 終末期のケア
   4. 生活習慣 5. 相補・代替医療(漢方医療を含む)

と非常に優秀な家庭医,総合医になるのに必要な項目が掲げてあります.書かれている目標を全部達成するには実のところうちのプログラムでも無理です.

さらにその前の一般目標として

頻度の高い疾病と傷害、それらの予防、
保健と福祉など、健康にかかわる幅
広い問題について、わが国の医療体
制の中で、適切な初期対応と必要に
応じた継続医療を全人的視点から提
供できる医師としての態度、知識、技
術を身につける。

素敵です!

最初のカリキュラムの利用に際してというところには,

原案について,47都道府県医師会,日本医学会加盟105学会等に意見を求め,それを反映させた上で作成されたものである.

また,

都道府県,群市医師会の講習会,日本医師会での講習会,e-learningでもこれとリンクさせて,ということが書いてあります.

さて,問題は,きちんとこれにリンクさせた医師会の生涯学習とその評価が行われるか,ということ.

assessment drives curriculum

という言葉の裏返しは「評価なきカリキュラムは進まない」ということですから,努力目標では変化は非常に遅々たるものしか期待できません.参考(原典には諸説あり)

医師会を馬鹿にしたり,揶揄するつもりはまったくありません.
むしろ医師会の様々な活動は米国家庭医療学会の活動と非常に近似しており,好感を持っているぐらいです.(たった1つの立場を除いて)

是非医師会員の全てがこの様な目標を達成できるような生涯学習の実施をお願いしたいと思います.

安房医師会病院 公募締め切り

新聞より引用
——————-

安房医師会病院譲渡 亀田グループが応募、審査へ
2008年1月9日 朝日新聞

館山市山本の安房医師会病院(上村公平院長)の新しい経営主体の公
募が8日、締め切られた。応募は、鴨川市などで総合病院や療養所など
を展開する亀田グループだけで、選定委員会(長隆委員長)が直ちに審
査に入り、12日までに優先交渉権を付与するかどうかを決定し、具体
的な交渉を始める。

同グループでは、医療法人「鉄蕉会」(亀田俊忠理事長)が主に医療
関連施設を経営する。そのうちの一つ、亀田総合病院は診療科31、病
床数862で、医師数は約350人。このほか県内では千葉、館山、勝
浦市に診療施設がある。

ただ、同グループに与えられるのはあくまで優先交渉権であり、条件
が折り合わなければ、他の法人が参入する可能性もある。

長委員長は「全国的に評価の高い亀田グループが応募してくれた。地
域医療が永続的に保証されるような形でまとめていきたい」などと語っ
た。

>
> 安房医師会病院の移譲 応募 鉄蕉会のみ> 傘下入りほぼ確実
> 2008年1月9日 読売新聞
>
> 医師や看護師の大量退職などで経営難に陥った安房医師会病院(館
> 山市山本)の再建問題で、同病院を運営する安房医師会(宮川準会
> 長)は8日、経営移譲先の公募結果を発表した。公募に応じたのは、
> 鴨川市で亀田総合病院などを運営する医療法人鉄蕉会(てっ
> しょうかい)(亀田俊忠理事長)のみで、安房医師会病院が鉄
> 蕉会の傘下に入ることがほぼ確実になった。
>
> この問題を巡っては、外部の有識者で組織された経営改革委員会
> (長隆委員長)が昨年11月、「病院事業を第三者に経営委託または
> 譲渡することが必要」と答申。館山市など3市1町で構成する安房郡
> 市広域市町村圏事務組合議会(議長=渡辺政久・南房総市議会議長)
> もおおむねこれを了承し、同病院が同12月22日から今年1月8日
> まで、新たな経営主体者を公募してきた。
>
> 公募結果を受けて、12日に安房医師会病院の第3回経営改革委員
> 会が開かれる。委員会終了後、6人の委員に金丸謙一・館山市長を加
> えた経営移譲選定委員会が経営移譲先を鉄蕉会と選定し、安房医師会
> との間で「経営移譲の条件」に関する仮協定が締結される見通し。
>
> 亀田総合病院は常勤医師360人、看護師973人(昨年4月1日
> 現在)。

安房医師会病院 経営委譲 公募に一件2008年1月9日 東京新聞
【千葉】

 経営難に陥っている館山市の安房医師会病院が経営委譲先を公募している問題で、応募受付期間が八日、終了した。応募は、鴨川市で亀田総合病院を経営する医療法人「鉄蕉会」と関連社会福祉法人「太陽会」が連名で届けた一件だけだった。

 鉄蕉会は一九五四年に発足。鴨川市東町の亀田総合病院などを運営し、一昨年には館山市に「亀田ファミリークリニック」を開業した。

 委譲先は、安房医師会病院経営改革委員会の有識者五人と、同病院に計十億円の補助金を出した三市一町でつくる「安房郡市広域市町村圏事務組合」の理事長金丸謙一・館山市長による選定委員会が、十二日に決定する。応募が一件のため、鉄蕉会と太陽会への委譲の可否を協議する。 (岡村淳司)

——-引用ここまで———–
鉄蕉会が公募することは理事なので当然わかっていたが、競合がいないのはびっくりした。(某全国チェーンを想定していた)
正確には鉄蕉会ではなく関連の太陽会が応募したのだが、新聞記事としての明快さの為に鉄蕉会が応募した形になるのだろう。

> 公募結果を受けて、12日に安房医師会病院の第3回経営改革委員
> 会が開かれる。

複数の公募があれば傍聴に行こうと思っていたが、(安房医師会員には開かれている)、行かないことにする。

得られるのは優先交渉権なので、12日のあと、これからいわゆるデューデリジェンス (直訳すると「当然払うべき注意・努力(Due diligence)」yahooより)ののち、具体的な委託条件の交渉にはいる、まだまだこれから長い。これからの交渉でどちらが優位かは内部事情なので書けませんが、皆さん考えてみて下さい。

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