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SP51 The Showcase Portfolio: Empowering the Residents to Build Their Own Personal Medical Home (STFM 2009)

例のごとくSTFM (society of teachers of family medicine)より帰って参りました。

今年は例外的に1日早く切り上げての帰国+館山にいるのに旅館暮らしです。(理由は皆さんの想像通り+αです)

昨年から個人的に初めてコラボプロジェクト(別名他人のふんどしで相撲を取らせていただくプロジェクト)ですが、今回は日生協医療部会 家庭医療学開発センター(略称:CDFM-JHCA)、センター長の藤沼先生とコラボさせていただきました。

彼が発掘し、始めたshowcase portfolioですが、個人的に普通のportfolioと何が違うのか、また自分たちのプログラムではなかなか軌道に乗らないportfolioをどうすればうまく軌道に乗せられるのかなどを勉強するために一緒に発表をさせていただくお願いをしたのです。

個人的にはportfoioに関する文献を数十個読み、理解が深まるとともに、自分たちのプログラムのエントリー項目も決定することができ、なんとか今年からスタートできそうです。

発表はlecture-discussionとして出したのですが、今年は久々にポスターに格下げ。元々45分で計画を立てたものをポスターにまとめるという大変な作業でした。

当日発表したものに数枚スライドを加えて(日本語の解説も)例のごとく公開してあります (藤沼先生の許可もあります)

今回のポスターの主張は
*現在のところポートフォリオについての総括的評価としてのエビデンスは特に卒後教育においてはほとんど存在しない。
*むしろ、自分たちの価値観の確認や、プログラムのカラーを内部や外部に明確に提示したり、指導医と研修医との対話に用いるなどの目的で使用するほうが、有意義で価値があると考えられる。
*なので、既存のエントリー項目などにとらわれず、「自分たちらしさ」を出すことを考慮する。
*家庭医療のコンテキストにおいては、多くのプログラムが、自分たち独自のエントリー項目を設定することで、それらの分析から「家庭医療のコアコンピテンシー」の構築が可能になると考えられる。
です。(根拠となる文献はポスターの中で引用してあります)

Portfolio Stfm Denver 2009 Sp51 Fujinuma, Okada http://d.scribd.com/ScribdViewer.swf?document_id=14895958&access_key=key-yw213d5x9f3kwh3k5et&page=1&version=1&viewMode=list

ことしSTFM INNOVATIVE PROGRAM AWARDの受賞をしたFamily Medicine Digital Resource Libraryでもアップしてあります

STFMの全体的な感想は別の機会にとして、米国のポートフォリオの取り組みは大分広がっていますが
*ポートフォリオがどのようなものであるか、についての理解は千差万別である(単に症例や手技の記録に一言感想をつければよい。というような理解プログラムも)
また今回の発表を準備する際に、ACGMEの新たな取り組みも知ることができました。これからポートフォリオについてのエビデンスを組織的に蓄積することになるようです。

The ACGME Learning Portfolio
Experience, Reflect, Learn, Assess

ポートフォリオに関する論文210件のまとめ
 
プロジェクト概要 2007−2016の10年計画です

写真はデンバーのコンベンションセンター

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家族指向のケアを電子カルテで実現する(Family Chart in the Electronic Age STFM 2008)

今年のSTFMは奈義ファミリークリニックの松下先生とご一緒させて頂いた

この何年かコラボレーションとシナジーをテーマにしている私は,意図的にいろいろな人と仕事をしている(迷惑をかけながら),その一環としてこれまで自分のアイデアだけでSTFMに発表を行ってきたが(倍率約3倍の所を,幸いこの数年ほぼ毎年acceptされており),コラボレーションの新たな場所としてのSTFMの第1回目として(そのほかの理由もあるのだが)昨年の夏前に松下先生にこの提案を申し出た.快く承諾下さり無事発表を終えたその骨子だけとりあえず下記に紹介しておきます.

この数年,体感的に家族志向のケアの重要性の理解がさらに深まっていたこと,それにつけ,現在の診療システムが(特に電子カルテ)がそれをサポートするように作られていないこと,そのせいで,本当は提供できたはずの家族志向のケアを提供できるチャンスを数多く失っていることなどが気になっていたことと,奈義ファミリークリニックの電子カルテが見事にそれをサポートする仕様を備えていたこと,そのような仕様を備えた電子カルテはおそらく米国でもまだ無いだろうと考えたことで,この発表にいたりました.米国の家庭医が(核家族化,個人主義の国で),どのぐらい家族志向のケアを重要ととらえているのか,またそれらを実現する仕組みをどのように実現しているのか意見交換できれば,という意図でした.

思った以上の人が来て下さり,好意的な発言,熱い議論が出来たことが良いfeedbackとなりました.家族志向度やそれがどのぐらい仕組みとして実現できているかはほぼ私の所と同じぐらい(志向度は高いが,実現度は低い),というのが印象で,やはり奈義の電子カルテは米国から見ても数段先を行っている,というかんじでした.

興味深かったのは,参加者の中に,自称「家族志向おたく」というひとがいて,家族全員が自分を家庭医として登録してくれない限りは患者としては受けない.ということでした.
米国ではかかりつけ医は契約上で指定をするので,様々な理由で患者を受けない「かかりつけ契約を交わさない」という選択肢がある状況ならでは,ですが,そこには「家族にも医師として介入できないとその患者さんへの十分なケアが提供できない(ので,そうでない限りはうけない)」というのは,家族志向のケアへの強い信念とこだわりの現れを感じました.

松下先生と頑張って論文にしましょうという約束をしたので,学問的なお話しは論文を楽しみにしていて下さい.(決意表明をここでやると引っ込みがつかなくなるのであえて決意表明です)

うちの電子カルテにも家族志向機能を取り入れるよう,働きかけなければ..

FMDRLにてupしてあります.
下記からも直接見られます.

Family Chart in the Electronic Age STFM2008(L42A Matsushita)

Family Chart in the Electronic Age STFM Baltimore handout 2008

まだ今回のSTFMの印象まとめてないな~